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宇宙の話をしよう (前編)
<< この話は科学的根拠が全く無い
あくまでも空想・妄想の域を出ない話
であることを前提としています >>
子供の頃、宇宙の事を考えると眠れなくなる事が
度々あった。
「もしも宇宙が誕生していなかったら、地球が
誕生していなかったら…どうなっていたのだろう…?」
「そもそも宇宙が誕生していなかったら…
そこには何があったんだろう…?」
まるっきりヒントも見えない疑問が頭の中で無限ループして
気持ち悪くなるほどだった。
だから、眠る時に宇宙の事を考えるのは
自分の中ではタブーになっていた。
そんな恐ろしい「宇宙の外」の事が、なんとなく
「もしかしたら…」と、この歳になってようやく仮説めいた
ものをたてる事ができた。
それは目に見えない色んな出来事の妄想先が
なんだかふいっと繋がって「ああ、じゃあ宇宙の外って
こういう感じのものが広がっているのかもなぁ」という
自分なりの仮説が落しどころになった、という具合なのだ。
ベースになっているのは、中学生の頃に図書館で借りて
読んだ四次元の事を解説する本だった。
始めて「次元目線」というものを理解できて、当時は強烈な
インパクトを受けた本だった。
ざっくり説明すると一次元とはx軸のみの「線」
二次元とはx軸に「左右」というy軸を加えた「面」
三次元とは二次元に「上下」というz軸を加えた「立体」
そして四次元とは三次元に「もうひとつの軸」を加えた
世界ということになる。
その「もうひとつの軸」ってのは何なのか?…という事
以上に興味を持ったのは、
「一次元では横軸を、二次元では縦軸を認識することが
できない」という事なのだ。
これが「次元目線」。
「認識することができない」というのは、見えないだけでなく
その存在自体が謎でしかない、
立証できない以上は「そんなものは無い」と否定する事しか
できない、という事になる。
例をあげてみよう。
一次元と二次元と、三次元が同居している場所がある
としてみる。
そこに10円玉を置いてみる。
二次元では「厚み」の概念が存在しない「円状」の
10円玉が置いてあるように見えるはずだ。
一次元では「幅」の概念が存在しない「線状」の
10円玉が置いてあるように見えるはずだ。
三次元世界でこの10円玉を動かしてみる。
コインの大きさ分、横にスススっと横移動した後、
ヒョイと持ち上げて裏返してみて、元にあった位置に
戻してみる。
この動きがそれぞれの次元ではどう見えるのか
想像してみよう。
二次元では横にスススっと横移動したのは確認できる。
しかしその後、突然10円玉が消える。
さらに見た事もない絵柄の10円玉らしき物が元の
位置に現れる。
大きさや色、材質的には10円玉のようなのだが
その表面に描かれれいるデザインは見たこともない
10円玉なのだ。
一次元ではどう見えるのだろうか?
線状に見える10円玉がだんだんとちいさくなり、消える。
その後、二次元同様見たこともない10円玉が
突然現れる。
いかがだろうか?三次元ではどうという事でもない
出来事が別次元では謎だらけの現象になってしまう。
では、三次元ではどうだろうか?
置いてあったはずの卵が突然消えて、
割れてもいないのに黄身白身が取り出された
殻が現れる。
しかも外側と内側が逆になった状態で。
実際に起こったらパニックでしかない。
人に話しても決して信じてはもらえない出来事だろう。
が、ここまで読んでもらえた方なら
「三次元には存在しない四次元軸に誰かが卵を動かせば、
理屈としては可能だ。」
と、なんとなくうっすらと理解できるのではないだろうか?
この「次元目線」によって、
『目には見えない出来事や、理解できない不可解な事も
一概には否定できないのでは…?』
という考え方になっていく。
ああ、もしかしたらあの時に読んだあの本は
「宇宙のこと」だけでなく、自分自身のベースそのものに
なったのかもしれないな、と
この文章を記しながら思っている。
<<< 次章へ続く >>>
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