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困りましたねぇ。
長い期間、自由業をやっていたせいなのか、
「どうしても組織脳にはなりきらないなぁ」という
戸惑いもさることながら…
図書館で借りたCD「日本の恋と、ユーミンと。」の中の
ユーミンの写真が激しく可愛らしく見えることへの
戸惑いもさることながら…
有馬記念ですよ。
近年の有馬記念に、何かさみしさを感じていた競馬の
オールドファンは少なくないのではないだろうか?
かつての有馬記念は、その年活躍したスターホースが
集結して、まさに一年を締めくくる暮れの大一番、
という大レースであった。
しかし近年、秋競馬の中心は11月末のジャパンカップになっていて
関係者の方々はそこに全力を注ぐのが普通になってきた。
ジャパンカップ後、馬の体調にまだ余力があるようであれば
有馬記念にも向かいましょう、という感じが
スタンダードになってきたのだ。
また近年、この時期に行われる香港でのG1レースに
出走する馬も増えてきた。
1日に4つも距離別のG1レースが行われる大きなイベントだ。
そちらに出走すれば当然ローテーション的に有馬記念に
出走することはほぼ不可能になる。
そんなわけで、特に有馬記念が大好きなオレとしては
「何かさみしい」とここ数年思い続けていたのである。
が、しかし。
今年は違う。
ひさしぶりにドリームレースが帰ってきた。
オジュウチョウサンが出走するからである。
有馬記念というレースにはファン投票がある。
そして投票数上位の馬には優先出走権が与えられる。
オジュウチョウサンは、なんと3位で出走権を手に入れた。
どれだけみんなが「見たい」と思っているかが
うかがい知れるというものだ。わかる。わかるよ〜!
さて、オジュウチョウサンとはどんな競走馬なのか。
ざっくりと説明しよう。
2013年10月に新馬戦に出走してデビューするも11着。
2戦目も8着と、まるっきりいいとこがなかった。
1年間の休養後、早々に障害馬へと転向したのだが
初障害戦も14頭立ての14番人気で、14着と
散々なスタートだった。ぼろくそだ。
「障害戦でもダメか…」と、競走馬としては
あきらめられてもおかしくない内容だ。
しかし、障害2戦目で11番人気ながらも、2着。
障害で初勝利をあげたのは2015年2月。
だんだんと障害馬としての才能を開花させて
ついに2016年4月、障害レースのG1を勝利する。
その勝利からオジュウチョウサンの快進撃が始まる。
2018年4月までの2年間で、
なんと障害レース負けなしの9連勝を達成。
そのうち障害G1レースは5つ。
走破時計のレースレコードも2つ作った。
オジュウチョウサンは日本競馬史上最強障害馬といって
いいほどの競走馬として君臨しているのだ。
そんなオジュウチョウサンのオーナーが、
驚きのプランを発表する。
それが平地競争への再転向と、有馬記念への挑戦だ。
競馬は獲得賞金によってクラス分けされているのだが、
平地競争と障害競走の獲得賞金はは別扱いとされるので、
オジュウチョウサンはまず今年7月に最下級条件の
平地競争に出走する。結果は、1着。
11月にはもうひとつ上のクラスで平地戦2勝目をあげる。
この時、東京競馬場に沸き起こった大歓声に、
鞍上の武豊騎手は「土曜日の条件戦とは思えない」と
驚いたそうだ。
これでJRA競争の連続勝利数記録も「11」となり、
連勝のタイ記録まで作ってしまった。
有馬記念の前日に中山大障害というG1レースが
行われるのだが、そこに出走すれば
おそらく勝つことだろう。
連続勝利数「12」の新記録が生まれていたことだろう。
でもオジュウチョウサンは、有馬記念に向かうのだ。
勝てるだろう、というみこみのある中山大障害ではなく、
有馬記念に出走するのだ。
障害戦では無敵を誇ってはいるが、
平地では下級条件戦を2勝しかしていない競走馬が、
天皇賞やジャパンカップで熾烈な走りをしてきた
やつらと有馬記念で戦うのだ。
そこに一体何があるのか?
何があるというのか?
それを目撃するために、感じるために、
競馬ファンは12月23日、
中山競馬場の芝2500mに目を向けるのである。
断言する。
アーモンドアイのようなスーパーホースは、10年経てば
また出現するかもしれない。
でも、オジュウチョウサンのような、破天荒で、
ロックンロールな馬は、もう二度と出現しないであろう。
平成最後の有馬記念は、
きっと素晴らしいドリームレースになると、
今からドキドキわくわくが止まらない。
いや、結果うんぬんではなく、
もはやオジュウチョウサンが出走するという現段階で
「ドリームレース・有馬記念」が完成しているといっても
過言ではない、とまで思うのだ。
ふぅ。
困ったもんだねぇ。
ああ、それにしても、水道民営化だって。
とんでもない法案だ。
大切なライフラインがまた人質にされるのかねぇ…?
本当に困ったもんだねぇ。
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