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「バラバラになるんじゃないかなぁ、と思う」
と、言ったのは1年前だったか2年前だったか。
3人ほどの知り合いと話をしているうちに、
話題は「2020年以降はどんな世の中に
なっているんだろう?」みたいな流れになって、
オレは漠然と持っていたイメージを
「バラバラになる」という言葉で表したんだ。

ゾウとかさ、クジラとかさ、
大きな動物はその身体を維持するのに
ものすごい量の食事が必要だね。
でも「もっともっと大きくなろう」として
食事をしているわけじゃないよね。
だけど人間が作り出す組織は
「どんどん、もっともっと」って
身体を大きくしようとしちゃうじゃない。
ただ、限界ってあると思うんですよう。やっぱりさぁ。
きっとどこかで反作用が起こるんじゃないかなぁ。
身軽へ身軽へと向かっていくんじゃないかなぁ。
と、こんなふうに考えていたのです。

「組織」が消えるってことは
もちろんないんだろうけれども。
頼りないっていうのか、当てにならないなぁって
感じのものになっていきそうな気がするわけ。
個々のスペシャリティの方が重要視される、とか。
「より多くの人の支持を得てこそ成功」っていうね、
経済的な常識が嘘っぽく感じ始める、とかね。
なんか、全然具体的じゃないんすけど。

流れとしてそういう方向に向かっていく
キッカケも起こり得るのではないかとも
思っているのね。
ガツンとした、何かが。ガツンとね。

だから、
価値感そのものも変わってくるのではないか、と。
変わることを求められていく、のかなぁ。
たとえば、今迄当たり前のように持っていた
「損得」っていう価値感が薄れゆく、とかね。
それに代わって今はまださほど重要視されず、
おまけのような価値感が、ずいっと主役になる、
とかさ。

大体がさ、その「損得」って価値感が、
今、世の中のあちこちにある息苦しさの
元凶のようにも思うわけですよ。
思わない?

仮に、新しい価値感が生まれていくとして、
それがどんなものなのかわからないけどさ。
素敵か、素敵じゃないか、ぐらいの漠然とした
価値感かもしれないな。
「素敵なら良し!」みたいなね。
これまでいやらしいぐらい、わかりやすく
数字数字で表現してきた価値感が主役だったから
その反作用は「ぼやけた」ものに向かって
いくのかもしれない。

だとすれば、
「覚悟」が必要になっていくんだろうねぇ。
もしも、本当にそういう価値観の変化が
始まったとしたら、それを受け入れていく覚悟。
だってそうでしょう?
「明治」っていう時代が始まった頃の
「武士という世の中が終わる」
ぐらいのインパクトだと思うもの。

ああ、オレは「素敵基準」の世界観がいいなぁ。
「おおう、これは夏風の涼やかさのような
素敵さだね」って。
「こういう素敵さを、損得でしか測れない
無粋な時代もありましたねぇ」みたいなね。
そういうのを、「虚」なんかではなくて、
「実」として感じたいものなんだよなぁ。
イイネ!素敵だなぁ。


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