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ダービーデーっつー事で、「ダービー馬」の話を。
今週、JRAのCMでその名前が放送されていたトウカイテイオー。
1991年、父・シンボリルドルフ同様に無敗のまま、日本ダービーを勝ったお馬さんだ。
その当時、オレにとっての競馬はギャンブルという一面の面白さがほとんどだった。
数字遊びでしかなかった。深く競馬の事がわかっていなかったのだ。
だからトウカイテイオーがダービーを勝った時も「あー、一番人気」てなホドの
感想しか抱かなかった。
ところがその後のテイオーの競走馬としての有り様が、そんなオレの
競馬観を一変させてしまう。

走ってはケガ、走ってはケガ。ケガと戦う競走馬になってしまったのだ。
父子そろっての三冠馬の夢は消え、当時無敵だったメジロマックイーン打倒の
夢も消え・・・挫折、挫折、挫折。
しかしそんな中、92年ジャパンカップ。直線ナチュラリズムとの猛烈な競り合い。
「来い!テイオー来い!」テイオーが世界の強豪を押さえ先頭でゴールした瞬間
何だかよくわからないが「テイオーをなめんな!」と叫んでいた。
感動に震えた。初めて競馬を見て涙が出てきた。
次走、同年の有馬記念を11着と惨敗。・・・そしてまた、ケガ。

テイオーが次に姿を現したのは、丸一年後の有馬記念だった。
「どうか無事にレースを終えてくれ!どうかそれだけ!」なんて
ファンとしては穏やかならぬ心中で観てたのに・・・勝っちゃうかね。
本当にこんな事があり得るのかね!?
まるで、去年の借りを返す為に帰ってきたみたいじゃないか!
だって一年間の休養明けでGIレースを勝った前例は無いのだ。常識外だ。
多くのトウカイテイオーファンは、こんな不思議なドラマ性の虜になったのだと思う。
「何してくれてんだ、こいつは」と。
オレはこうして、競馬で二度感動で泣かされたのだ。

以来「競走馬も騎手もアスリートである」と思うようになった。
いや、何だかもっと色々教えてもらったような気もする。
オレは「トウカイテイオーが好き」という表現ではどうにも足りない。
「尊敬している」という言葉で、やっとしっくりくる。