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彼は事の重大さに気づいていなかった。

太陽光発電のパネル設置の現場で、
どこかで借りてきたかのような明るさを
振りまきながら、彼は指揮をとっていた。
彼の自慢は、たいそうな役職を背負いながらも
現場で従業員と共に働いているという事、らしい。
その従業員達からは、
「邪魔」
と思われてるとも知らずに。
事実、彼はこれ以上は無いという間の悪さで
とんちんかんな指示を出しながら
作業の進行状況を確認しつつ、
せわしなく会社へ報告するのが
日々の仕事になっていた。

ふと、そんな彼の話が聞きたくなって歩み寄ってみた。
広い敷地の半分ほどが、パネルで埋め尽くされている。

「施主様から、あと二週間で完了してくれって
言われてましてね、ははは、間に合わせてみせますよ!」

一瞬、自分が何を質問したかにとまどうような
とんちんかんな答えだった。
この広い敷地を全部埋め尽くすのに、
何枚くらいのパネルが必要なのですか?と
訊ねたはずだったのだが。

彼は踏むべき段階も踏まず、
積むべき経験も積むことなく、その立場にいると
誰かから聞いた。
何があったのかまでは、よくわからない。

彼の携帯電話が鳴った。
軽く会釈してその場を離れることにした。
向けた背中に彼の会話が聞こえてくる。
「どうにかなりますって!」

二週間後には彼の言うとおり、パネル設置の工事は
完了しているのであろう。
その時の彼の満足気な明るい笑顔が目に浮かぶ。
しらけるほどに、笑顔で笑顔を強要するその能天気さは
パネルを運ぶ従業員達の汗の苦さを知らない。

彼だけにとっての重大な事が、
先に世に生まれようとしていた。