前口上2015
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54「ゑびすや」
53「ホテルニュー塩原」

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2019年の「温泉地獄」

参考サイト

MAPPLE観光ガイド
湯まっぷ
那須温泉郷のサイト
塩原温泉郷公式ページ
板室温泉旅館組合
温泉の泉質成分効能

52「杣の湯」地獄 2015年03月12日

塩原は元湯温泉にある「ゑびすや」の前で、
やや茫然としながらオレは立ち尽くしていた。

「ゑびすや」は以前に入浴した「元泉館」
すぐ隣にある。
ここまでくるには長い長いぐねぐねとした
テクニカルな山道を登ってこなければならない。
しかもこの時期、溶けきらない雪が
「滑っちゃいなよ」と言わんばかりに
道のあちこちに残っていたりする。
「ようやく来たぜ」
そんなオレの想いを凍らせるように
「ゑびすや」の玄関には「定休日」と
書かれた札。

「………」そうですかと沈黙するオレ。
3つある元湯温泉旅館を
この日で入浴コンプリートするというオレの
思惑は、すぐ近くをざぁざぁと流れる川の音に
押し流されてしまっていた。

「ならば別の温泉に入るまでのことよ」と
気持ちを切り替えて、車を発進させる。
ここまで来る途中に「日帰り入浴」と
書かれた看板があった事を思い出して
中塩原まで戻ることにする。

 
到着したのは「杣の湯」(そまのゆ)。
今までにも何度か通りすがりに看板は
見かけていたが、ネットでは
まるでノーチェックだった施設だ。
駐車場。
やけに広いが停まってる車は1台。
まぁ、平日の昼間だしね。

入浴券を自販機で購入するシステム。
入浴料は600円。
券を受付でテレビを観ているおやっさんに
渡して脱衣所へと向かう。
ロッカーは100円ノー返却なやつ。
しかし、他にお客さんはいない様子だし
後から来る気配も感じないので
ノーロックで浴場へ。

 
どうであろう?このシンプルさ!
「マジか?」と、半笑いになってしまう。
余計な装飾など一切なく、コンクリ感を
ひたひたと味わうことができる様式美は
一歩間違えれば「So Cool!」とさえ思えてくる。
まぁ、何はともあれ身体を洗おう、と
洗い座に着き、「…はて?」となった。
お分かりいただけるだろうか?
写真をよーくご覧いただきたい。


蛇口のコックがひとつしか無いのである。
シャワーが無いのは、まぁまぁいいとして
このひとつしかないコックをひねり
蛇口から出てくるのは…はたして…熱湯…?

じゃあああああああ
「水かよ!」
わけがわからん。
ああ、そっか。しばらく出してないと
湯にならないんだな。
お客さんが少なくて、冷めちゃってるって
ああ、そういう事か。
しばらく出しっぱなしにしてみる。

いくら風呂場だとはいえ、
おっ裸のおっさんがケロリン桶にだぶだぶと
水が溜まっていくのを、ただじーっと
眺めている光景もさすがにバカだな、と思い
湯船から湯をすくって身体を洗い始める。

けっこう出しっぱなしにしていた、と思う。
2分くらい経って「お湯になったかな?」と
手で触れて確かめてみる。
「やっぱ、水じゃん!」
もー、ホントにわけがわからん。

仕方なく身体を流すのも、髪を洗い流すのも
湯船の湯を使用する。
実はあと2回ほど出しっぱなしにトライして
みたのだが、やっぱり最後まで水だった。
(帰宅後、他の入浴レポサイトを
 拝見してみたら、いずれお湯になるらしい。
 …でも、きっと誰も使わないから
 延々と水なんだろうなぁ…)

露天風呂がある。

訪れた温泉の、ありとあらゆる露天風呂に
身体を沈めてきた「露天バカ」であるオレに
「…あえて入るまでもない」と思わせた
最強の露天風呂との出会いの瞬間であった。

ああ、肝心のお湯の事に触れる前に、
もうこんな長文になってしまった…。
湯なのであるが、単純泉らしく丸く
やわらかな印象。
少々くせがある方が好みなのですが、
悪くないと思います。
短かっ!

一言で片付けよう。

「…いや、シャワーのあるないは
もはやどうでもいい」
この事である!

てか、
「取り付けておりませません」という
あわてっぷりに、はたして本当に
「あえて」なのであろうか?
とさえ思えてくる謎の怪文書。

服を着込みながら、急遽この日の
はしご湯がオレ一致で決定していた。




「杣の湯」データ: Ph8.4
 <泉質> 弱アルカリ性単純泉
 <源泉> 塩原温泉・杣の湯
 <源泉温度> 46.9度
              


◇「杣の湯」サイト

◇「杣の湯」周辺マップ

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