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.......................
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54「ゑびすや」地獄 2015年03月27日
二週間前に来た時、まだ道のあちこちに
残っていた雪は、すっかり姿を消していて
タイヤ交換の時期を告げていた。
あの衝撃の「定休日」の雪辱を晴らすべく
再び参上した晴天の金曜日。
「ゑびすや」の前で
オレは「してやったり」の笑みを
隠さずにはいられなかった。
塩原の元湯温泉には3軒の温泉宿があることは
すでにご紹介済みなのであるが、
「大出館」、「元泉館」の中ではこの「ゑびすや」が
一番クラシカルなムードであるように感じた。
フロントで入浴料500円を支払い、浴場へ。
浴場へ向かう途中に飾られている色紙の数が
「愛されてますねぇ」な感じが伝わってくる。
脱衣所。
シブい。実にいい感じではないですか。
ここにコインロッカーなどがあっては
むしろ幻滅だ。
丁度、先客さんが浴場へと入っていくところで
軽く挨拶。
後を追うように浴場へと突入する。
浴場内の窓は大きくなく、ライティングも
かなりおさえぎみであり、
なおかつ湯気が立ち込めている為
写真の写りはかなり悪くぼえぼえではあるが
どうかご容赦いただきたい。
さほど広くはない湯船がふたつある。
なんと、それぞれ源泉が違うらしいのだ。
左手の湯船には「梶原の湯」、
右手の湯船には「弘法の湯」と名付けられている。
先に入った先客さんはすでに「梶原の湯」に
浸かっていた。
洗い座はふたつ。その内、シャワーが
付いているのはひとつだけだ。
ボディーソープ&リンスインシャンプー有り。
身体を洗って「梶原の湯」へと入ってみる。
はて…?と思うくらいに、ぬるい。
それもそのはず、後で気づいたのだが、
この「梶原の湯」の源泉温度は39.7度。
いや、その数字以上に「ぬるい」と感じるのは
時期的なものもあるのだろうか?
しかし、湯質はいい感じ。
見た目よりもぐっとライトな肌感なのだが、
香りも、肌触りも「さすがに本物」と
思わずにはいられない納得の感覚。
突然「じょばばばばー」と音が鳴り響く。
思わず音のする方へと目を向ける。
隣の「弘法の湯」の源泉が流れ出てきた音だ。
この源泉、なんと珍しいことに
「間欠泉」とのこと。
約5〜6分おきに突然「じょばばばー」と
源泉が流れ出てくるのだ。
そんな「弘法の湯」に次は入ってみようと
「梶原の湯」から出て、湯船の端にしゃがみ
手をそっと入れてみると…
熱い!しかも、めちゃめちゃ熱い!
とても入れる温度じゃない。
蛇口につないであるホースがすぐ近くにあった。
「ご自由に」という事なのであろう。
遠慮なく水を入れる事にした。
湯に浸かれぬのでは話にならない。
「加水、やむなし」である。
2分ほど水を投入してみたが、まだまだだ。
少しでも温度が下がるよう
片手で湯をぐるぐる回したりしてみる。
すると、鳴りをひそめていた間欠泉が
「じょばばばばー」と、
その牙をむき出した。
有無をも言わさずに極上に熱い源泉が
1分間ほど湯船に注がれる。
「ああー…」
正確に温度を計ったわけではない。
これは憶測でしかないのだが、
おそらく、…また熱くなってる。
間欠泉が沈黙している5〜6分間に
いかほどまでに温度を下げられるかが
勝負!
「それがここの掟なのだ」と必要以上に
鼻息を荒くして、温度を下げることに
全神経を集中した。
さらに次の「間欠泉のターン」を
受け止めつつも、ようやく入れなくはない
温度にいよいよ到達した。
「してやったり」
この日二度目のしてやったり感。
沈めた身体共々、心も
火照りまくったのは言うまでもない。
水はなおも投入し続けていて
さらに絶好の湯加減になりだした頃、
なんだか湯船を独り占めしているような
気持ちになってきた。
変わらずに「梶原」のぬるい湯に
浸かっている先客さんに、
「いい湯加減になってきました。
いかがですか?」と声をかけて
入れ替わるように再び「梶原」へと入る。
火照り上がった身体に「梶原」の温度は
もはやちょっと温度のある水風呂にしか
感じないが、クールダウンには丁度いい。
もしかした最初からそういうシステムなのか、
とさえ思うくらいに、
これはこれで気持ちが良い。
「弘法」に入った先客さんも
「ああー、いいですねぇ。これなら入れる」と
ご満悦の様子。
この日三度目のしてやったり感。
いわば猛打賞である。
先客さんが上がっていったので、
またもや「弘法」に入ってみる。
その間、ずっと水は投入されていたのだが
さすがに「これ以上は」という温度だったので
水を止める。
適温。たまらぬ極上の湯である。
「じょばばばばばー」と、間欠泉。
まぁ、いいでしょう。お好きにしなさい。
…と、征服者としての貫録を見せつける。
しばらく浸かり、また「梶原」でクールダウン。
すると60才はいっているであろうと
思われるおやっさんが入ってきた。
やわら「弘法」の温度を確かめて
「あー、いい温度だ。こりゃあいいや」と
言いつつ、気分良さげに浸かっている。
この日、四度目のしてやったり感。
ちなみにこの後、このおやっさんと
トークが弾んでしまい、うっかり「梶原」で
湯ざめしてしまったのは、ご愛嬌。
一言で片付けよう。
「君も適温ヒーローになろう!」
この事である。
※4月19日(日)、19:00からの
「駆け込みドクター!運命を変える健康診断」
(TBS系列)
というテレビ番組で、この「ゑびすや」さんが
紹介されるとのこと。
ご興味がある方は是非どうぞ。
↓ 温泉成分表
「ゑびすや」梶原の湯データ: Ph6.5
<泉質> ナトリウム・カルシウムー炭酸水素塩・塩化物温泉
(中性低張性高温泉)
<源泉> 梶原の湯
<源泉温度> 39.7度
「ゑびすや」弘法の湯データ: Ph6.7
<泉質> 含硫黄ーナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉
(中性低張性高温泉)
<源泉> えびすや新堀
<源泉温度> 52.1度
◇「ゑびすや」サイト
◇「ゑびすや」周辺マップ
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