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72「ホテルグリーンパール那須」地獄 2017年01月13日
車に薄く雪が積もっていた。
お昼すぎには時折降り注ぐ日差しで
すっかり溶けて消えていたのだが、
これから向かう山にはまだ
低い雲が覆いかぶさっていて、
道路も雪道になっているかもしれないと
パンツのゴムも締まるような思いでいた。
今年最初の温泉は、やはり硫黄泉だ。
ひさしく硫黄泉には入ってなかったのだが
あたらめて申しておくと、
オレは硫黄泉が大好物なのである。
人によっては「臭い」と
嫌われがちな硫黄臭に
どういうわけかオレは「いいですなぁ」と
好感をもってぞくぞくしてしまうたちなのだ。
駐車場の車の数も少なく
眠っているように静かな南ヶ丘牧場の脇を通り、
さらにもう少しだけ登ると
「ホテルグリーンパール那須」がある。
例の「おもて那須手形」の割引対象施設、
なので手形をフロントに提示する。
100円割り引いていただき、
450円のお支払。
男性用浴場は2階と説明を受け、階段を昇る。
脱衣所。
先客2名分の服があった。
この時期、この時間(午後3時20分頃)で、
先客がいるであろうはずがない
と、なぜか思い込んでいただけに驚いてしまった。
浴場のドアを開ける。
問答無用の硫黄臭。いいですなぁ。
ドアから見て左手窓ぎわに白濁した湯船。
正面奥に透明な湯の湯船がある。
共に大人6〜7人は余裕で浸かれる十分な広さだ。
洗い座も11か所とかなり余裕がある。
ボディーソープ、シャンプー&トリートメント
石鹸2種類、フェイスソープ、有りと充実。
硫黄臭が
「おい、早くこっちに来いよ」と
身体を洗うオレを急がせる。
無論、透明な湯は後回しにし、
まずは白濁した湯へと身体を沈める。
温度、ちょうどいい〜。
なんだこれは〜。いいっすね〜、な湯加減。
硫黄泉としては、ややマイルドな肌感。
横綱の「鹿の湯」と違って、ペーハーが6.0と
中性泉であることも関係があるのだろうか。
硫黄臭は好きだが、酸性泉は身体に合わない
という方にはうってつけの湯、かもしれない。
一応、透明な湯にも入ってみる。
どうやら沸かし湯のようだ。
ものの10秒も経たぬうちに、
「わかっただろう?あんたの相手はそっちじゃ
ねぇぜ」と。硫黄臭に肩を叩かれた気がして
再び白濁した湯へと戻る。
気付けば浴場の中の人の数が増えている。
絶え間なく人がいる。
どうやら今日こそは浴場内の写真は諦めなければ
ならないようだ。
山を覆っていたはずの低い雲は
どこかへと移り、窓から陽が差し込む。
その明かりに照らされた蒸気が
細かい粒の流れとして見える。
一粒一粒までは見えないけれど、
たくさんの粒がうねって流れとなって
いるのはわかる。
「ああ、この粒粒を今吸いこんでいるんだなぁ」と
よくわからない事をぼんやりと思いながら
硫黄泉を満喫していた。
一言で片付けよう。
「やさしい硫黄泉!」
この事である。
ちなみに、浴場内の写真を撮れなかったのが
くやしかったので、
ホテル内の写真を撮ってみた。
本の貸し出しも行っている模様。
ホテルでちばあきお先生の「プレイボール」が
読めるのは全国の中でもきっとここだけ!
↓ 温泉成分表
「ホテルグリーンパール那須」データ: Ph6.0
<泉質> 単純硫黄温泉(硫化水素型・中性低張性高温泉)
<源泉> 稲川1〜4号・苦土稲川1・2号
県電気局B-3・八幡崎1号混合泉
<源泉温度> 54.4度
◇「ホテルグリーンパール那須」サイト
◇「ホテルグリーンパール那須」周辺マップ
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