前口上2017

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日本一の美人の湯考
メタケイ酸とは?
MAPPLE観光ガイド
湯まっぷ
那須温泉郷のサイト
塩原温泉郷公式ページ
板室温泉旅館組合
温泉の泉質成分効能

80「東照温泉 旅籠 福田屋」地獄 2017年09月07日

日光では「休暇村 日光湯元」、
「湯守釜屋」、そして「温泉寺」と
3か所の温泉に浸かるつもりでいたのだが
結局入ることができたのは「休暇村」だけであった。

華厳の滝周辺にたちこめる濃霧が、
この日の締めくくりとなってしまうのか…。

「そうさ、今日はもう終わり」とでも言わんばかりに
背後でお土産屋さんのシャッターが下りた。

いや、まだオレには切り札があった。
もしも、体力と時間に余裕があれば
立ち寄ろうかな、と補欠として持っていた
4枚目のカードを切る決断をした。

来た道を戻る。
途中、金谷ホテルベーカリー直販店に立ち寄り
おみやげ用に食パンを買いつつ、戻る。
東照宮、さようなら。
東武鉄道日光駅前、さようなら。
また会う日まで。

時刻はまもなく午後5時になろうとしていた。
あと500mも走れば日光市を抜け、塩谷町に入ると
いうところに「東照温泉 旅籠 福田屋」がある。
 

ここを切り札にしておいた理由は、入館が21時まで
オッケーであることと、
場所的にも日光からの帰り道にあるので、
「融通がきくなぁ」として頭の中に置いておいたのだ。

受付のばーちゃんに入浴料600円を支払う。
受付のすぐそばにお土産コーナーがドーンとある。
そしてそこから食事ができる大広間がドーンと
見える。

脱衣所。
100円返却式ロッカーと脱衣かごの両方がある。

不思議なくらいこれといった特徴の無い
旅館の脱衣所、という雰囲気。

浴場へと向かう。
なんだろう…。これまた特にこれといった
特徴の無い浴場だ。
洗い座の数は、10か所ほどであっただろうか。
ボディーソープ&シャンプー&リンス有り。
内湯へ向かう。
湯船の大きさはかなりある。4m×8mぐらいで
一角を斜めカットしたような変形長方形の湯船だ。

ほんのり何かの匂いがする。硫黄だろうか…?
温泉であることを主張してくる。
トゥルン感はほぼ無い。
先客は1〜2名だったので、もしかしたらまた
ねばっていれば写真が撮れる良きチャンスが
あるかもしれない、と思っていた。

案の定だ。露天風呂の方に一人いるが、
浴場内にいたひとりの先客がオレを残し
上がっていった。
「ようし、内風呂の写真だけでもまず撮っておくか」と
立ち上がったその時、
上がっていった先客と入れ替わるように
新客が入ってきた。
しばらくすると、
露天風呂にいた先客が上がっていった。
そして入れ替わるようにまた新客が入ってきて
先に入っていた新客が今度は露天風呂へと向かって
いった。
なんだ、これは一体…?
このあたりから、なにか妙な不思議さを
この「福田屋」に感じ始めていた。
全く写真を撮る隙がつかめない。
最小人数による完璧なディフェンスでもって
ブロックしてくる。

とりあえず、露天風呂に移動することにした。

露天風呂の湯は内湯と同じものだろう。
しかし、若干露天の方の温度は低く感じた。
その分、ゆっくりと長湯できる。

岩が湯船を作っている。
かなりでかい岩もあったりして、雰囲気がある。
しかし、それをあざ笑うかのように、
湯船のど真ん中に、なんかいる。
マスコットキャラクターのような
陽気なデザインの石像だ。
夢福神」とネームプレートに書かれている。
どうやら御神体のようだ。
御神体の足元には何枚かの1円玉が置かれている。
ますます不思議さが膨らむ。

ひとりのじーさんがやってきた。
おでこが頭頂部まで広がっているのだが、
耳脇から後頭部にかけての髪は不自然に長い。
どう見ても落ち武者だ。

落ち武者は露天風呂の奥へと入っていった。
湯船の半分ほどには屋根がある。
そのあたりに落ち武者が湯に浸かっている。
オレから見て、
手前「夢福神」。奥、落ち武者。
なんという理解不能なコントラストだ。

どんな風景が見えるのか、湯船からあがり
柵の向こうを覗いてみた。
この露天風呂はちょっと高いところにある。
見晴らしはいい。
が、特にこれといった風景ではなかった。
下を見下ろすと、池なんだか、釣り堀なんだか
水が溜まっているところがある。
それさえもなんだか妙に不思議に思えてきて
「なんでそこに池があるのか…?」とまで
思うようになってきていた。

あともう少しだけ露天風呂に浸かって
上がることにした。
落ち武者が湯船の岩にあおむけになって
寝ころんでいる。
完全に落ち武者じゃないか。
完全にふんどしまで身ぐるみはがされた
落ち武者じゃないか。
もしかしたら本人も落ち武者としての
自覚があるんじゃないだろうか?
落ち武者だとしたら、どこから来たのかな?
関ヶ原の西軍の兵かもなぁ。
それでいて日光の「東照温泉」に入ってるって
とんだおっちょこちょいだな。
てか、知らないで入ってるんだろうなぁ。
ここが「東照温泉」だと知らずに
「あー、いい湯だわ。関ヶ原の疲れが癒されるわ」
とか思ってるのかもな。幸せものだなぁ。

そんなオレの妄想をよそに、落ち武者は
ぴくりともせずに横になったままだった。

一言で片付けよう。
「一日の締めくくりは落ち武者見物!」
この事である。



↓ 温泉成分表



「東照温泉 旅籠 福田屋」データ: Ph8.7
 <泉質> アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉
 <源泉> 東照温泉
 <源泉温度> 50.5度

 試料1kg中の各成分(mg)
 ・ナトリウムイオン:0164.4
 ・塩素イオン   :0157.5
 ・硫酸イオン   :0160.8
 ・炭酸水素イオン :0030.5
 ・メタケイ酸   :0043.4



◇「東照温泉 旅籠 福田屋」参考サイト

◇「東照温泉 旅籠 福田屋」周辺マップ

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