前口上2014
50「与一温泉ホテル」
49「元泉館」
48「金ちゃん温泉」
47「川霧の湯」
46「中藤屋」
45「那須五峰の湯」
44「弁天温泉」
43「渓雲閣」
42「ピュアコテージ」
41「北温泉」
40「寺の湯」
39「湯守 田中屋」

38「五峰の湯」







.......................

地域別ファイル一覧

2012年の「温泉地獄」
2013年の「温泉地獄」
2015年の「温泉地獄」
2016年の「温泉地獄」
2017年の「温泉地獄」
2018年の「温泉地獄」
2019年の「温泉地獄」

参考サイト

MAPPLE観光ガイド
湯まっぷ
那須温泉郷のサイト
塩原温泉郷公式ページ
板室温泉旅館組合
温泉の泉質成分効能

38 「五峰の湯」地獄 2014年1月17日

2014年最初の寄り道温泉なのである。
那須岳・大佐飛山・女峰山・男体山・高原山の
五峰(ごほう)が一望できる
環境にある事からその名がつけられたという
「五峰の湯」へと向かう。
なんだかありがたい感じがするではないか。
新年一発目にふさわしい。
ただ、到着したのはPM6:00。すっかり暗くなっていて
風景など何も見えないのではあるが。

勤務先から車で約20分。黒羽、思いのほか近い。
建物の大きさに驚く。こちらの建物は温泉だけでなく
研修室やら伝統文化伝承室、
ギャラリーなどもあって、
さながら総合市民施設といった感がある。
入浴料500円を払い、風呂場のある2階へと向かう。
脱衣所、広々としている。
100円返却式のロッカーに荷物を入れ
颯爽と浴場へと突入する。

いきなりどどーんと広い湯船が目に飛び込んでくる。広い。
洗い座も12か所あり、場内にはお客さんが5〜6人いたが
選びたい放題だ。
ボデイーソープ&リンスインシャンプー有り。
そしてなによりうれしいのが、シャワーが例のプッシュ式では
ない事だ。心行くまでシャワーできる。
身体を洗い終え、どばどばと湯が注がれているだだっ広い
湯船へと向かう。

入った瞬間に肌が「ぬっ」とくる。ぬるっぬるである。
Ph9.9炸裂しまくりである。
「なんというアルカリ度なのだー!」と思わず湯を手ですくい、
顔へぱしゃりとたたきつけてみる。
「む…」
香り、これは…、しますね。ほのかに塩素臭。
黒羽町の町営温泉とのことなので、やっぱり衛生面には
極めて配慮があるようです。
加熱+循環ろ過と、あまり温泉の鮮度にはよろしくない
環境のようですが、肌のつるんつるん具合の高さには
驚かされます。摩訶不思議なり。

湯船に向かって左手の方向、
湯船の一角に背丈ほどの壁に囲まれた場所がある。
なんなのだ?何がある?
「ジャグジーさんか、電気さんがいらっしゃるのだろうか?」
移動してみる。
特に何もない。ただの囲いのようだ。なんという思わせぶりな。
おう。少々残念な思いにかられながら、その場所とは逆の、
湯船に向かって右手の方向に目を向けると、
なにやら六角形にかたどられた湯船がある。
遠くから見てもわかる。やはり特に何もないご様子のようだ。

と、その時、
髪の毛を洗っているあるお客さんに目が釘付けになった。
洗い座の椅子に座らず、立ったままの姿で
シャンプーしているのだ。
そして立ったままシャワーで洗い流している。
さらに、ボディーソープをワンプッシュ、ツープッシュと手にとり
タオルには着けずそのまま手で身体を洗い始めた。
もちろん、立ったままだ。

「なぜ座らないのだろう?そしてなぜタオルを使わないのだろう?」
オレは完全にこの立ち職人の観察に入ってしまった。
「背中…そうだ、背中はどうするつもりだ、職人!
背中はさすがにタオルを使わねば洗えないだろう。」
職人は念入りに股間から足を洗い、腕、そして腹まわりを洗い終え、
さぁ、背中を…背中を…背中を……、洗わない!
シャワーで身体を流し始めた!
洗わないのかよっ!どうすんのよ背中!!
いや待て!職人、そばに置いてあったタオルに手を伸ばした。
その、タオルで、身体を、拭いて…、サウナにイン!
やっぱり洗わないのかよっ!!
オレはやや茫然としながら、軽く口元に笑みを浮かべつつ首を振り、
「何だかやられた」感を味わっていた。

露天風呂へ向かうためにじっくりと身体をあたため、
「いざ」と腰を上げる。
二重になっているドアを開け、外へと出る。言うまでもなく、寒い!
湯船はきれいな長方形。湯船の縁の上部は木製になっているが、
湯船自体は人工的にきれいに仕上げられた石を組み合わせたものだ。
個人的な好みでいえば、このタイプの露天風呂はバッドなのだが、
悪くない。
妙に落ち着く。露天風呂に自分ひとりしかいないのがまた贅沢感だ。
湯船の縁に頭をのせて寝湯状態になる。
夜空を見上げる。星が見える。
これ以上は無理!というくらいにまで脱力してみる。
むー…、やっぱり悪くない。

クールダウンの為、湯船の縁に腰掛けてみる。
ふと、目線を外へと向けてみると、なんと!!!!
電柱がすぐそこに見えるではありませんか。
「こ、これは…」これは少々残念でした。
仕方ないのですが、電柱ですから。
仕方ないのでしょうけれども、
露天風呂から電柱は見えてほしくなかった。
その方向に背を向けるように再び湯船へ身体を沈める。
内風呂のある浴場を眺める姿勢になった。

ふと、一年の始まり、という思いがよぎる。
はたして今年はどんな温泉に入ることになるのだろうか?
きっと「まだこんな素敵な温泉があったか!」と
心躍ることもあるだろう。
「いずれ…」と思いつつも今だに未入浴の温泉もある。
今年こそは入りに行ってみたいものだ。
それから……ああ、もう、
すっかり身体が火照り上がってしまった。
一言で片付けよう。
「広さ&香り!まさに温水プール!!でも、泳いじゃダメ!!」
この事である。


↓ 温泉成分表


「五峰の湯」データ: Ph9.9
 <泉質> アルカリ性単純温泉(アルカリ性低張性高温泉)
 <源泉> 黒羽町第二源泉
 <源泉温度> 36.5度
              


◇「五峰の湯」サイト

◇「五峰の湯」周辺マップ