前口上2014
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2019年の「温泉地獄」

参考サイト

MAPPLE観光ガイド
湯まっぷ
那須温泉郷のサイト
塩原温泉郷公式ページ
板室温泉旅館組合
温泉の泉質成分効能

43 「渓雲閣」地獄 2014年5月24日

土曜日だ。やっていないハズがない。
…しかし、万が一って事もある。電話で確認してみた。
「今日は日帰り入浴はやってますでしょうか?」
男性の声で答えが帰ってきた。
「はい、やっておりますよ〜。12時から15時までが
入浴できる時間となっております」
…丁寧。先日の、あのぶっきらぼうな主人と思われる
人とは別人ではないのではなかろうか…?

ともかく今回は、先日行ってはみたものの、
お休みで入る事ができなかった「渓雲閣」へ
再トライしてみる事にした。
車は塩原、おなじみのもみじラインへとひた走る。

新湯温泉に到着。
さすがは土曜日。バイクがあちこちに停まっている。
ライダー達が汗を流しているようだ。



「渓雲閣」に突入する。「こんちはー!」声をかける。
出てきたのは……あの人だぁー!
しかし、なんだか先日とは雰囲気が違う。
入浴料1000円を支払うと、タオルがもらえる。
その対応とか、風呂場のある場所を教えてくれたりとか。
「えええ〜…?この前と全然違うし…」
とても丁寧なんですよ。これが。
まさかの双子か…?などと思いながら浴場へと向かう。

「渓雲閣」には風呂場が2つある。
宿泊客&部屋貸し日帰り客のみが使える、
「たぬき冥利の湯」という庭園露天風呂と、
日帰り入浴客も使える展望大浴場「たぬき湯」の2つだ。

展望大浴場「たぬき湯」へと向かう。
脱衣所。かごが棚に置いてある。どうやら先客が1人。
さきほどいただいたタオルは使わない。
オレはこんな感じでいただいたタオルは、未開封のまま
コレクションする派なのだ。
コレクションといえるホドには、まだ無いが。(3枚)
持参したタオルを持って、浴場へと向かう。
洗い座は4つとさほど広くはない。大浴場…ま、確かに
自宅の風呂よりははるかに大きい。



しかしそんなささいな事は、湯船にはられた誠見事な
硫黄泉を見れば誰だってどうでもよくなるはずだ。



先客であるおやっさんに挨拶して、身体を洗い始める。
そのそばでそのおやっさんはしきりに湯の温度を
下げようと必死の攻防を続けていた。
「いやぁ、熱い熱い。……ああ、まだ熱い」と
湯をかき回す棒でざぶざぶと湯もみをしている。
最初はシャワーで水を投入していたのだが、
話にならないとばかりに、脱衣所のどこからかホースを
持ってきて水を投入していた。
さらに温度計まで持ってきて、湯の温度を計っている。
「あ〜…、これだけ水を入れてるのに、まだ46度だ」
などと言いながら、おやっさん再び湯もみを開始。
…手慣れている。何者なのか…?

オレ「いやいやいや、そんなに熱いんすか?」と
言いながら洗髪。
おやっさん、湯もみ。
オレ、頭洗い流す。
おやっさん、温度計に目をやる。
オレ、頭にタオルを巻き、湯船に足を入れる。
「ホントだ。熱いっすね。入れなくはないすけど」
「43度だものね。」
おやっさん、ホースから出る水の量の微調整後、
今度はゆっくりと棒で湯もみしまくる。
一旦湯船から上がっていたオレ、また湯船に入る。
「お、いい感じになりましたよ!」
腰まで湯船に沈め半身浴状態になる。
おやっさん、蛇口を閉めてホースを片付け始める。
…まさに仕事師の様相。
おやっさん、ホースと温度計を脱衣所の方へ持ってった。

とても通りすがりの旅行客とは思えない。
近くに住んでいる常連さんなのか…
それとも、実はここの従業員の方だったりして…。
戻ってきて湯船に入ってきたら話を聞いてみようと
待ち構えていた。
窓の外の景色に目をやる。なるほど、これは確かに
展望風呂だなぁ。
これだけの風景を堪能しながら硫黄泉に浸れるのは
今のとこ、ここだけだなぁ。



硫黄臭が心地いい。大分水が入ったが、紛う事無き
うっとり硫黄泉だ。

おやっさんが戻ってきた。
おやっさん、シャワーで身体を洗い流すと「じゃ」と
言い残して脱衣所へと去っていった。
ええええええええええええええええええええええええ
えええええええええええええっ!!???
お…おやっさん…え?何で…?まさか、オレのために
湯もみを…?あ…あなたは、一体……??
オレはやや茫然としながら湯船の傍らに立つ
たぬきの石像を眺めていた。

おやっさんの湯もみのおかげで、身体にすっかり
ステキな硫黄臭がしみこむホド十分に浸かったところで
上がることにした。
フロントまで行ったらあの主人らしき人がいて、
「お湯が熱かったそうで…申し訳ありませんでした」
と、丁重に謝罪されてしまった。
ちょっ…せ、先日の、あのぶっきらぼうさは、
一体どこへ…????

一言で片付けよう。
「さすがは………たぬき温泉よ。」
このことである。


↓ 温泉成分表


「渓雲閣」データ: Ph2.6
 <泉質> 単純酸性 硫黄泉(硫化水素型)
 <源泉> 共同噴気泉(なかの湯)
 <源泉温度> 68.0度
              


◇「渓雲閣」サイト

◇「渓雲閣」周辺マップ