前口上2019
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2018年の「温泉地獄」

参考サイト

日本一の美人の湯考
メタケイ酸とは?
MAPPLE観光ガイド
湯まっぷ
那須温泉郷のサイト
塩原温泉郷公式ページ
板室温泉旅館組合
温泉の泉質成分効能

84「上人一休の湯」地獄 2019年05月01日

国道121号線から県道23号線に入る。
すぐに長く真っ直ぐなトンネルに突入するのだが
それはどこかのアトラクションの乗り物を
彷彿させるかのような、
高揚感をかりたてられる。

トンネルを抜けてバンと眼前に広がるのは
鬼怒川を川治ダムによってせき止め作られた八汐湖だ。
これがどういうわけか美しく見えて
たまらず車を止めたくなる。


川治ダムにも立ち寄る。

ダム、でけぇ。でかすぎるだろ、ダム。
足元がぞわぞわする高さだ。

ああ、このなんつーんだ、山間の、吹き抜けるような
絶景無双。
写真にはどうしてもこの感覚を収めることは
できないねぇ。
やっぱりその場に行ってみないと、なんだよねぇ。

さて、再び車は23号線へ。
ぐんぐんと山方面へと向かう。
前日、地図を見たときに「目的地はここからが長そうだなぁ」
という印象を持った。
そう、オレはナビなど使わずに
ほぼ印象と記憶と勘だけをたよりに目的地に
向かうのである。
生き様、といってもいいだろう。

ダムを出発してから30分ほど走った頃だ。
「…これは、もしかして、
通りすぎちゃったんじゃないのか…?」
と、思い始めていた。いくらなんでも遠すぎる。
どこかでUターンすべし、と思ったのだが
なにしろ、こんなとこやらを走っているので
機を失いつつ、「オレはどこまで行くんだろう…?」という
意味不明な好奇心も湧き起こったりもしてきて
どんどこどんどこ山へと向かい進んでいる。

すると突然「天然温泉」のノボリが見えた。
車を駐車場へと滑り込ませる。


「しょうにんいっきゅうのゆ…」
思わず声にして読み上げてしまったのだが
全然知らない。いったい、ここはどこなんだ?
とにかく、ここには温泉があるのだな。
入らないという選択肢はどこを探しても見当たらない。
立ち寄ることにした。


入浴料510円をフロントにいたおっさんに支払う。
510円?
先の道の駅も510円だったのだが、
この中途半端な金額が偶然なのだろうか?


脱衣所。ロッカーの鍵はあるが、
よくある100円返却式のロッカーではない。


浴場の電気はついておらず、少々重い雰囲気を感じる。
きちんと清掃はしているのだろうけれども、
全体的なカラーリングもあってか「無骨」という印象。
洗い座は7か所。ボディーソープ&シャンプーあり。
先客が2人いた。
いるもんだなぁ、などと失礼な感心を抱く。

湯は無色透明。匂いはほとんどしない。
しかし浸かった瞬間、肌に「すべっ」という感覚。
「おお?」と少々にやけてしまったのは、
せっかくこんなどこだか知らないとこまで
迷いこんで来たのだから、せめてビックリさせてくれ、
なんていう期待に見事応えてくれたからだ。


後で見た温泉成分表によると、
けっこうトータルとしての成分力は弱い方なのだが、
このスベッと感は十分に
「ここまで来たかいがあった」と思わせてくれるだろう。

一言で片付けよう。
「迷う事を恐れていては、思いがけないものと
 遭遇する機会を失うことになる」
このことである。

ちなみに「上人一休の湯」の一休とは
あの超有名な一休さんのことではなく、
日光を開山した勝道上人という坊さんがここらに
やってきた折、一休みしたという言い伝えが
由来だと、サイトに記してありました。

さて、来た道を戻ることにした。
今度こそは目印である看板を見落とすまいと。
そりゃあそうですとも。この日の本来の目的地である
温泉にまだ浸かっていない。
これで終わりだと思ったら、大間違いだ。

              <つづく>



↓ 温泉成分表



「上人一休の湯」データ: Ph8.6
 <泉質> アルカリ性単純温泉(アルカリ性低張性高温泉)
 <源泉> 市有川俣湖源泉
 <源泉温度> 49.7度

 試料1kg中の各成分(mg)
 ・ナトリウムイオン:0044.2
 ・塩素イオン   :0002.4
 ・硫酸イオン   :0012.1
 ・炭酸水素イオン :0051.9
 ・メタケイ酸   :0043.7



◇「上人一休の湯」サイト

◇「上人一休の湯」周辺マップ

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