前口上2013
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36 南平台ホテル「観音湯」地獄 2013年11月4日
想像していたよりもずい分と長く走っていた。
「もしかしたら通りすぎたのではないか?」とさえ思うほどに。
ようやくメモしておいた交差点や道に到着して安堵したのもつかの間、
渡る予定だった橋が無い。
何事なのかはよくわからなかったが、とにかく「通行止め」の看板。
「まぁ、とにかく川さえ渡ってしまえば何とかなる…ハズ!」
勘にまかせて遠回りをしつつ、どうにかこうにか目的地の馬頭温泉郷は
南平台ホテル「観音湯」へとたどり着いた。
ちなみに我が愛車にナビなどは搭載してはいない。
メモと直感重視なのである。
えらく急な坂を登ってきただけあってホテルは高台にある。
その分駐車場からの景色がどーんと開けていて爽快だ。
温泉施設の入口へと向かう。
靴箱に靴を入れ、入浴料420円をチケットの自販機に投入。
ああ、早く「あの事」を書き綴りたくて仕方がない。だが、それはまだ先。
浴場は階段を下りたところにある。
脱衣所。100円返却式のロッカー。
さすがホテルに隣接している施設だけに、なかなか賑わっている。
しかし、洗い座はさほど多くなく4か所。
ボディーソープ&リンスインシャンプー有り。
いつも通りタオルを頭に巻いて、いざ内湯へと向かう。
建物入口の写真を見ていただければおわかりになる通り、
こちらの温泉はアルカリ性特有の「とろとろとろ〜り」感を一押しにしている。
なるほど、確かに入ってすぐに肌が「すべっ」とくる。
かけ流しではないようなのだが、確かに「すべっ」とくる感覚はある。
ああ、いよいよ「あの事」を語るタイミングが近づいてきた。
露天風呂へと向かうドアを開け、若干の坂になっている廊下を歩く。
足元にはすべり止め用に半分に割った竹が均等に並べられている。
わぁっと露天風呂のスペースが広がる。
透明な厚手のビニールに仕切られた洗い座が見える。
なるほど、内湯の洗い座が埋まっている時はこちらを利用すればいいようだ。
露天風呂はふたつ。手前に屋根のある大きめの湯船。
奥に少々小ぶりな湯船。
手前の大きな湯船にはおっちゃん連中が7〜8人浸かっており
なにやら楽しそうに話がはずんでいた。
そしてどういうワケか、奥の小ぶりな湯船にはひとりしか入っていなかった。
一直線に奥へと進む。
湯船の一角を覆うように何かちいさな黄色いものが浮かんでいる。
そして湯船を囲む岩にも。
「花?」
おお、なんとも風情ではないか。と、そう思った。
しかし、湯船に足を入れるほどに近づいてみて、
それが「花」ではないことに気付く。
「な…な…何故、アヒル…????」
やわらかなビニール製の、親指半分サイズのちっさいアヒル軍団が
どわわわーっといるのである。
あっけにとられながら湯船に身体を沈める。
湯船にぷかぷか浮かんでいる水上アヒル隊は、もちろん隊列を成してはいないが
岩の上に配置された陸上アヒル隊は部分的に整列していてこっちを見ている。
ごつごつとした岩の側面の穴に配置されたアヒルなどは
どこか天然要塞にこもっている砲撃隊を連想させる。
…眺めているうちにオレも並べてみたくなってきた。
ここを訪れる前にビリヤードをやってきていた事もあり、
三角フォーメーションのアヒル部隊を岩の上に編成してみた。
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こんな感じ。
ふふっ。
ついでにいったい何羽いるのか数えてみた。
総勢で約120羽。すごい数だ。
ああもう、写真で紹介できないのが本当に残念だ。
ところで肝心の湯なのだが、内湯と同じようでやはり「すべっ」とくる。
露天風呂の雰囲気もよい。贅沢を言えばせっかくの高台にあるのだから
風呂からもあの広々とした風景が見えたら申し分なかった。
ともあれ、
一言で片付けよう。
「アヒル天国!」この事である。
だめだ…。アヒルのインパクト強すぎ。
↓ 温泉成分表
「観音湯」データ: Ph9.6
<泉質> アルカリ性単純温泉(アルカリ性低張性温泉)
<源泉> 南平台温泉
<源泉温度> 44.1度
◇「南平台ホテル」サイト
◇南平台ホテル「観音湯」周辺マップ
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