前口上
22「太陽の湯」地獄
21「ゆの郷」地獄
20「りんどうの湯」地獄
19「りんどう湖ホテル」地獄
18「皆幸乃湯」地獄
17「雲海閣」地獄
16「ピラミッド温泉」地獄
15「那須大丸ガーデン」地獄

14「大丸温泉旅館」地獄

13「大鷹の湯」地獄
12「湯荘 白樺」地獄
11「ほたるの湯」地獄
10「福のゆ」地獄
09「芦野温泉」地獄2
08「サンバレー那須」地獄
07「あかつきの湯」地獄
06「鹿の湯」地獄
05「千本松温泉」地獄
04「華の湯」地獄
03「芦野温泉」地獄
02「幸乃湯温泉」地獄
01「源泉 那須山」地獄
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2013年の「温泉地獄」
2014年の「温泉地獄」
2015年の「温泉地獄」
2016年の「温泉地獄」
2017年の「温泉地獄」
2018年の「温泉地獄」

参考サイト

MAPPLE観光ガイド
湯まっぷ
那須温泉郷のサイト
塩原温泉郷公式ページ
板室温泉旅館組合
温泉の泉質成分効能

14「大丸温泉旅館」地獄 2012年10月8日

前々回に訪れた塩原「湯荘 白樺」は、標高約950mにある温泉であった。
では那須方面で一番標高の高い場所にある温泉はどこなのだろう?
…などとふと思い、調べてみたら三斗小屋温泉というところだった。
徒歩で2時間、ばりばりの登山をしなければならない場所のようだ。
しかも日帰りはやっておらず、宿泊のみ。…むう。
日帰り可能で次に高い場所となると、ここだ。大丸温泉。標高約1300m。

胸おどるような硫黄臭ただよう「鹿の湯」を通りすぎて、さらに奥地へと走る。
「げぇ、まだ登るんかい!」と口にしたのはオレだ。
モノ言わぬワインレッドのジーノが真っ青になるのではないか、というくらいに
登りに登って、ようやくたどり着いたのが「大丸園地」という場所。
ここにちょっとした展望デッキがあるので、車を降りトントンと登ってみる。
おおおお、天気が良くてよかった!市内が一望できるではないですか!
どこがどのあたりなのかは全然わからなかったが。

ちなみに登山を目的としたお客さんがたくさん来ていて、広々とした駐車場は
車でいっぱいになっていた。これが紅葉シーズンになったら…スゴソウデアル。
さて、ここから2分ホド歩いたところに「大丸温泉旅館」がある。
「大丸園地」前には3,4軒のおみやげ屋、食事処が並んでいる。
「へぇ…」ちょっと気になる看板をチラリと横目で見つつ目的地へと歩を進める。
建物に入る前からロケーションは素晴らしいの一言。
森の中。湯気をたてながらザーッと流れる温泉。それが川となっている。
橋を渡ると建物の入口。建物の中はどーんとした感はそれほどないが、
落ち着いていて、風呂場までの廊下で目にする写真や展示物によるものなのか
歴史を感じさせてくれる。
フロントで入浴料1000円を払うと身体を洗う用の白いタオルを渡される。
この時、いっしょに腰に巻く用の緑色のタオルも受け取る事を忘れてはならない。
混浴の露天風呂に入る時に必要になるのだ。
オレはまんまと受け取り忘れた。てか、風呂場に入ってから気付いた。
「あああ、そーゆー事なのね」みたいな。
ゆえに、こちらの看板ともいえる露天風呂に入りそびれた次第である。

そもそもこの旅館の風呂は女性優遇、とも思える構成になっている。
男湯は内風呂が1つだけ。女湯は内風呂1つに露天風呂が2つ。
そして混浴の露天風呂が3つ。貸切風呂が1つ、となっている。
オレのようにタオルを受け取り忘れ、なおかつ「関係ねーっすよ」と
丸出しのまま混浴に突入する度胸が無い男性客は、内風呂のみで我慢しなければならない。

と、いうワケで内風呂の様子に話は移る。
洗い座は7つホドだっただろうか。ボディーソープ&シャンプー有り。
木製の洗面器と椅子が「使い込まれてます」とつぶやきかけてくるかのような
深いこげ茶色でシブい。
余談になるが、洗い座とは世にいうカランの事なのだが、この「カラン」という名前が
どうにもピンとこないのはオレだけだろうか?
だって「カラン」ですよ。「カラン」。イメージが全然つながらない響きではないですか。
今、調べたらオランダ語で蛇口のことだそうです。
そーなんだろうけどさ。…なんかなぁ、マッチしないなぁ。
水もお湯も出てこなさそうだよね。「カラン」って。
まだ「ダルビッシュ」の方がまだ何となくそれっぽい感じがするなぁ。
てなワケで、洗い座っつー事で。

湯船は2つ。枠など部分的に木が張ってあるが、全体的には石造りになっている。
壁はレンガを使っていて、どことなく倉庫を連想させる。
その壁はナチュラルに汚れが入っているが、これが不思議と汚らしい感じがない。
湯船の中は美しい。徹底的に磨かれているかのようだ。
そして石の模様がはっきりわかるくらいにお湯は無色透明。無臭。
まったく癖がなく、いわゆる「やさしい湯」が満たされている。
向かって左手の湯船には石が積み上がっており、その隙間から湯がわき出ている。
湧き出る湯の脇には温泉成分が白く固まったものを見る事ができる。
内湯なのだが、換気扇から入ってくる外気が塩梅良く身体を冷やしてくれるので
入っていようと思えばいくらでも入っていられそうだ。
さすがは標高1300m。
ああ、実に…実にやさしい湯である。
2度、3度と湯を手ですくい顔にぱちゃっとかけてみる。
香りを確かめる。無臭。無臭ですね。
ふと、頭の中である光景がフラッシュバックし始める。
それは駐車場からこの「大丸温泉旅館」までの途中で目にしたあの看板。
「うむー…」風呂から上がる事にした。
旅館の中にあるそば処でざるそばをすすり、その決意は固まった。
お土産コーナーの向かいに飲泉所があるので、そこで温泉を湯のみでいただく。
これまたくせが無く無色透明、無味無臭。
靴下もはかずに来た道をずんずんと歩きだす。
乾ききらぬ髪の毛が、瞬く間に冷えていく。
一言で片付けよう。
「人からはやさしくされたいが、温泉からはやさしくされたくない気分。」
このことである。

<つづく>



「大丸温泉旅館」データ:Ph7.1
 単純温泉(中性低張性高温泉)


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